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Openlaw@hatena: Project press release

Press release of Openlaw@hatena project (http://openlaw.g.hatena.ne.jp/) held by CPSR/Japan and jca.apc.org.

オンライン討議サイト「オープンロー」の立ち上げについて

オープンロー運営責任者 山根信二 (CPSR日本支部)

ディスカッションURL: http://openlaw.g.hatena.ne.jp/
資料公開URL: http://www.jca.apc.org/e-GovSec/

2005年5月30日

[はじめに]
このたび,CPSR日本支部とJCA-NETは,コンピュータ技術をめぐる訴訟について
意見交換の場をオンライン上に設けるプロジェクトを開始します.

ネットワーク上での係争が増えるにつれて,近年ではコンピュータ専門家が
法廷で参考意見を述べることも珍しくなくなりました.しかし,専門家が法廷
の外で知見を交換する場所は少なく,またハイテク裁判についての報道も限ら
れたものでした.

いちはやくネット時代の訴訟社会に突入したアメリカのコンピュータ業界で
は,ACM や CPSR といったコンピュータ専門家団体が,法律とコンピュータ技
術の間を埋める試みを進めています.たとえば.コンピュータ専門家が見守る
壇上で法律家がハイテク訴訟の模擬裁判を行なうのは珍しいことではありませ
ん.
(例: http://archive.cpsr.net/conferences/cfp93/ingraham-case.html など)
また,注目される裁判の経過を専門家がウォッチするオンラインサイトも定
着しています.そこでは,たとえば法廷に実際に提出された書類がオンライン
で公開されたり,あるいは訴訟と同時進行で分析や意見を交換するウェブ掲示
板やメーリングリストが提供されます.

こうした動向を背景にして,本プロジェクトでは,コンピュータ専門家と非
専門家とが現在問われている訴訟についてネットワーク上でオープンな討議を
行なう実験に取り組みます.

[モデル]
本プロジェクトは,ハーバード大学ロースクールのバークマンセンター
(Berkman Center for Internet & Society)が行なっている Openlaw プロジェ
クトをモデルにしています.同プロジェクトでは訴訟と同時進行で専門家だけ
でなく非専門家も交えたオンラインのブレインストーミングを行ない,時には
センターのスタッフが議論のとりまとめを行ない,裁判所に参考意見書を提出
する場合もあります.学術論文や報道でも Openlaw で提供される資料やニュー
スが参照されることも珍しくありません.

[具体的な取り組み]
本プロジェクトでは,実際に法廷に提出された文書を使いながら,オープン
な意見交換を行なうスペース「オープンロー@hatena」をオンライン上に設けます.
http://openlaw.g.hatena.ne.jp/

本プロジェクトでは,まず2005年6月から8月にかけて,最初の事例として住
基ネット裁判にとりくみます.(裁判と同時進行で行なうため,詳しい予定は
変わる可能性があります.) 詳細が明らかにされていないために,これまで専
門家が住基ネットについて実証的な議論を行なうことが困難でした.そこで,
本プロジェクトでは法廷でのコンピュータ専門家による証言およびに国の答弁
にもとづいた具体的な検討を行ないます.

法廷書類を信頼できる形でスキャンし公開するのは,サイト提供・運用も含
めて通信NGOであるJCA-NETが行ないます.そして,分析や意見を交換するため
のサイトの運営をCPSR (社会的責任を考えるコンピュータ専門家の会) 日本支
部が担当します.意見を交換するサイトは独立した商用サービスを利用して行
なわれ,実名または筆名での投稿やトラックバックによって情報交換を行なう
ことが可能です.この時,投稿者の個人情報は事業者によって管理され,サイ
ト外の弁護団やJCA-NETにも提供されることはありません.

ハーバード大学ロースクールのOpenlawプロジェクトでは,スタッフが議論の
内容をまとめながらメーリングリストで意見書を作成し裁判所に提出すること
もあります.それに対して本プロジェクトでは,メーリングリストではなくウェ
ブでの意見公開を行ない,また報告書をまとめる予定もありません.この理由
は,意見書をまとめる法律スタッフがいないという消極的な理由だけでなく,
むしろ異なる立場の人々がいま行なわれている裁判に注目するというコミュニ
ケーションそのものを目的としているためです.

[おわりに]
本プロジェクトは,法廷での提出資料にもとづいた分析と議論を行なうこと
で,専門家が社会的な議論に参加するきっかけを提供します.そして,技術的
な問題と法律的な問題とを同時に検討する新たな社会的コミュニケーションの
試みに取り組みます.

[CPSR日本支部について]
CPSR(Computer Professional for Social Responsibility, 社会的責任を考え
るコンピュータ専門家の会)は,1980年代初頭にゼロックスPARC(パロアルト研
究所)のコンピュータ研究者の会合をもとに組織された団体です.CPSRは社会
的問題に取り組むコンピュータ専門家の団体としてはもっとも古い伝統を持ち,
アメリカのコンピュータ政策について多くの知見を提供してきました.
CPSR日本支部は,2002年に設立されたCPSRの国際支部の一つです.
(詳しい情報: http://www.cpsr.org/act/global/japan )

[JCA-NETについて]
情報通新技術を使って市民社会を支援する「通信NPO」であるJCA-NETが
今回取り組む資料提供プロジェクト「e-GovSecProj/JCA-NET」については,
以下のプレスリリースを御覧下さい.
http://www.jca.apc.org/e-GovSec/JCA-NETPress.html

以上
--
Shinji R. Yamane
Chair, CPSR/Japan
http://www.cpsr.org/act/global/japan

Created by syamane
Last modified June 02, 2005 08:52 PM
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